追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「こ、これは……!」
「聖なる力だ……!」

 聖女見習いに格下げとなっても、聖なる力を使役する力は衰えるどころか強まっているようだ。

 奇跡を目の当たりにした人々による歓喜の声を受けたあと、あれほど苦痛に表情を歪ませていた獣がスクリと立ち上がる。
 スノーエルは不思議そうに四肢を動かし、先程までの光景が嘘のように元気な鳴き声を響かせた。

「わふん!」
「スノーエル……!」

 ラシリネは喜びのあまり、自ら勢いよく美しき純白の毛並みを腕にいだく。

「死んでしまったら、どうしようかと思ったじゃない……!」
「わふ……?」

 敬語を口にする余裕もなく、砕けた口調で話す己の姿は人が変わったように見えるのだろう。

「これに懲りたら、もう二度と拾い食いなんてしては駄目よ!」
「わふーん!」

 成り行きを見守っていた3人が、なんとも言えない表情で固まっているのが印象的だった。
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