追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「少し、羨ましいです。ご家族の、仲がよくて……」
「ラシリネちゃんは、親元で過ごした時間のほうが短いくらいだもの。無理もないわ……」
皇太后にも、公爵家の関係性があまりよくない話は漏れ聞こえているのだろう。
どこか困ったように赤紫色の瞳を細めたのが、印象的だった。
「あのまま公爵家で過ごしていたとしても、皆さんのような関係にはなれなかったと思います」
「そうなの?」
「はい。両親は妹が生まれてから、あの子ばかりをかわいがっていたので……」
老婆のような白髪。
夜空に煌々と光り輝く月のような瞳を持つ自分は、この世のものとは思えぬ不気味さを両親へ抱かせてしまったのかもしれない。
対する妹は、母親そっくりの赤紫色の目と、父親の赤毛を引き継いだ桃色。
女性らしい容姿はようやく彼らに真人間を出産できたと安堵させるのに充分すぎるほどの効力を発揮し、いつしか両親は姉を疎むようになっていた。
(彼らと顔を合わせる機会など、もう二度とないですもの……。つらい過去なんて思い浮かべたって無駄でしかないわ……)
ラシリネは脳裏に過ぎった嫌な思い出をかき消すと、苦笑いを浮かべて相談の続きを始めた。
「ラシリネちゃんは、親元で過ごした時間のほうが短いくらいだもの。無理もないわ……」
皇太后にも、公爵家の関係性があまりよくない話は漏れ聞こえているのだろう。
どこか困ったように赤紫色の瞳を細めたのが、印象的だった。
「あのまま公爵家で過ごしていたとしても、皆さんのような関係にはなれなかったと思います」
「そうなの?」
「はい。両親は妹が生まれてから、あの子ばかりをかわいがっていたので……」
老婆のような白髪。
夜空に煌々と光り輝く月のような瞳を持つ自分は、この世のものとは思えぬ不気味さを両親へ抱かせてしまったのかもしれない。
対する妹は、母親そっくりの赤紫色の目と、父親の赤毛を引き継いだ桃色。
女性らしい容姿はようやく彼らに真人間を出産できたと安堵させるのに充分すぎるほどの効力を発揮し、いつしか両親は姉を疎むようになっていた。
(彼らと顔を合わせる機会など、もう二度とないですもの……。つらい過去なんて思い浮かべたって無駄でしかないわ……)
ラシリネは脳裏に過ぎった嫌な思い出をかき消すと、苦笑いを浮かべて相談の続きを始めた。