追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
(まさか……。彼女は、己に汚名を着せた男を愛しているとでも言うのか……?)
「ハズレ聖女」などと口汚く罵った挙げ句、己を隣国近くの県境境に着の身着のままの状態で追放するような輩が好きなのであれば、ラシリネが「自分を好きになってもらえない」と悲しげに金色の瞳を伏せるのも無理はなかった。
(10年間も心ない言葉をぶつけられていたのだ。心の傷が、まだ癒えていないのかもしれん……)
もしかすると、彼女は優しくされるよりも酷い扱いを受けるほうが好きなのかもしれない。
(大好きな少女へ、意図的に不躾な態度を取るのは気が滅入るが……。仕方ないか……)
ダリウスは己の推測が事実かを確かめるべく、あえてラシリネに冷たい態度を取るようになった。
「陛下……」
何かを言いたげに呼び止めようと試みる彼女の言葉を無視した。
(く……っ。あんなふうに悲しんでほしくなかったから、俺のそばへ強引に連れて来たと言うのに……!)
いくらこちらが演技で仕方なくしていたとしても、ラシリネからしてみれば「言い争いを終えた直後から険悪な雰囲気になってしまった」と言う状態だ。
「ハズレ聖女」などと口汚く罵った挙げ句、己を隣国近くの県境境に着の身着のままの状態で追放するような輩が好きなのであれば、ラシリネが「自分を好きになってもらえない」と悲しげに金色の瞳を伏せるのも無理はなかった。
(10年間も心ない言葉をぶつけられていたのだ。心の傷が、まだ癒えていないのかもしれん……)
もしかすると、彼女は優しくされるよりも酷い扱いを受けるほうが好きなのかもしれない。
(大好きな少女へ、意図的に不躾な態度を取るのは気が滅入るが……。仕方ないか……)
ダリウスは己の推測が事実かを確かめるべく、あえてラシリネに冷たい態度を取るようになった。
「陛下……」
何かを言いたげに呼び止めようと試みる彼女の言葉を無視した。
(く……っ。あんなふうに悲しんでほしくなかったから、俺のそばへ強引に連れて来たと言うのに……!)
いくらこちらが演技で仕方なくしていたとしても、ラシリネからしてみれば「言い争いを終えた直後から険悪な雰囲気になってしまった」と言う状態だ。