隠していた想いを伝える時
「あの……。気持ちはすごく嬉しいんだけど、槙田くんみたいな素敵な人が、私を好きだなんて信じられなくて」
正直な気持ちを伝えると、槙田くんは目尻を下げて少し切ない表情をした。
「俺たちあまり話をしたことなかったもんね。俺は入学式の日からずっと好きだったよ」
「え?」
「入学式の日、話したの覚えてる?」
「あ、うん……。目が痛くて困っているところを、槙田くんに助けてもらったよね」
幼い頃から目が悪く、眼鏡をしていた私は、大学生になるのを機にコンタクトにした。
入学式の帰り道、まだ慣れないせいか急に目が痛くなって、勢いでコンタクトレンズを外したら何も見えなくて。
困っていたところを、偶然通りかかった槙田くんが声をかけてくれた。
鞄の中から眼鏡を出してほしいとお願いをし、出してもらって眼鏡をかけたら、助けてくれた人がとてもかっこいい人で驚いたっけ……。
「その時、泣いたり驚いたり笑ったり、コロコロと表情が変わる相田さんがすごく可愛いって思って、それからずっと好きだった」
「そ、そうだったんだ……」
あの時、槙田くんがそんなことを思ってくれていたなんて全然知らなかった……。
優しい表情であの日のことを語る槙田くんの顔を見て、私は胸がドキドキしてしまう。
「ずっと好きだったけど、相田さんには相澤がいたから」
相澤、というのはさっき振られた元彼。
彼も同じ大学の同じ学部で、学籍番号が前後だった私たちはすぐに仲良くなって、彼から告白されて付き合った。