隠していた想いを伝える時
隣に座った槙田くんは私の顔をじーっとみつめると、何故か嬉しそうに口角を上げて笑った。
顔に何かついているのかと不安になって「あの、」と言うと、槙田くんは私の目元に視線を向けた。
「眼鏡。入学式の日を思い出す」
「あ……恥ずかしいから、そんなに見ないで?」
私は慌てて両手で顔を覆った。
つい、いつもの癖でお風呂から出た後にコンタクトから眼鏡に変えたけど、分厚いレンズのごく普通の黒縁の眼鏡は、かけることによって地味子感が増してしまう……。
「眼鏡をかけてる相田さんも可愛いのに」
槙田くんは私の髪を撫でると、お風呂から戻ってきた時に持ってきたドライヤーをコンセントに繋ぎ、スイッチを入れて私の髪に当ててくれた。
「濡れてると風邪ひいちゃうから」
「じ、自分で出来るよ?」
「俺にやらせてよ。こういうの、やってみたかったんだ」
楽しそうに風を当てて、優しく微笑む槙田くん。
彼の指が髪を撫でるたびに、くすぐったさと恥ずかしさでいっぱいになる。
「相田さんの髪、本当に綺麗だよね」
肩までの髪はすぐに乾いて、槙田くんは私の髪を少し指で掬うと、優しくキスをした。
「よし、乾いた。じゃあ、こっちにきて」
槙田くんに手を引かれ、ベッドに誘導されると二人で向かい合ってごろんと寝転がる。
二人で寝転がるには、少し狭いシングルベッド。自然と近くなる距離に、私の心臓はいつまで経っても慣れることはなくて……。
至近距離で槙田くんにみつめられて、心臓がドキドキとうるさい。