隠していた想いを伝える時


「さっきの返事……考えてくれた?」

 それって、告白のことだよね。

 どうしよう……。まだ答えは出ていない。

「えっと……」

「相田さんは自分のことをつまらないって言ったけど、ほら……」

 槙田くんは、私の手をとって自身の胸に当ててきて、手のひらに伝わってくるのは、槙田くんの少し早い心臓の鼓動……。


「こうやって相田さんといるだけで幸せな気持ちになるし、相田さんの作られていない自然な姿が可愛くて、見ているだけでドキドキするんだ」

「……っ、」

 少し照れくさそうに笑う槙田くんの笑顔、そして真っ直ぐ向けられる想いに……。

 私だって、今日はドキドキしっぱなしだ。


「まずは1ヶ月でいいから。もちろんその間は誰にも付き合っていることは言わない。1ヶ月で、俺のことを好きになってもらえるように頑張るよ。だからダメかな?」

 付き合っていることを誰にも言わないのなら、もし上手くいかなかったとしても、周りからとやかく言われる心配はない。

 私たちだけの秘密になるのなら……。


「うん。それなら……」

「やった!チャンスをくれてありがとう」

 槙田くんはとても嬉しそうな顔をして、ぎゅーっと、痛いくらいに強く抱きしめてきた。


「ねえ、二人の時は莉乃って呼んでいい?」

 槙田くんに名前で呼ばれるのは少し照れくさい。だけどお付き合いをするなら、名前で呼んで欲しいかも。

 私はその問いに、こくんと頷くと、槙田くんはまた嬉しそうに笑う。


「俺のことも名前で呼んでくれる?」

「翔真、くん……」

「うん。今日からよろしくね。莉乃」





< 16 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop