ふたつの弧が、重なるとき ~元エースピッチャーの彼と、走り高跳びの彼女。熱を持った六年越しの初恋を、不器用に重ね合わせていく~【完結】
 ◇

 そのまま教室に向かい、授業を受けたけれど、教授の言葉は一文字も頭に入ってこなかった。

 ノートの端をペンで無意味にぐしゃぐしゃと塗りつぶしながら、最悪の想像ばかりが膨らんでいく。

 なぜ、彼と一緒にいたのか。
 いつ、再会していたのか。

 もしかして……彼と再会したから、自分との関係を「考え直したい」と言ったのか。

 すべてのネガティブな考えが繋がり、それが真実なのだと思い知らされるような気がして、吐き気がした。

 ◇

 その日の夕方に、美絵と会う予定だった。
 どこで会うかは、直前にやり取りして決めようと話していた。

 けれど、時間になっても、ベッドに倒れ込んだまま動けなかった。

 スマホの画面には、美絵からのメッセージや着信が何度か来ていた。
 画面が光るたびに胸が締め付けられたけれど、どうしても応えることができなかった。

 そして、そのままその日が終わった。
 拒絶してしまった罪悪感と、裏切られたような絶望感に押しつぶされそうになる。

 けれどその日はもう、何も聞きたくなかったし、誰とも話す気力がなかった。
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