アースシールド♾️
内定式へ
内定式の日。
式が行われるアースシールド♾️の本拠地に月と向かうことになっていた。
月から家の前まで迎えにいくと連絡があり、家の前の道で待つ。
三次試験の結果が出た日、月とは気まずい感じで別れてしまった。
永久さんはあの後無言で……家まで送り届けてくれたが。
なんだったのだろう。
「糸、待ったか?」
「いや。月、この間は…」
ーーギュッ。
何も言わずに私の手を握って、歩き始めた月。
「どうしたんだ? 月?」
「るせえ! いいから行くぞ!」
「いや、手…繋がなくても歩ける…」
「お前は危なっかしいから、会場まで俺が責任持って手を繋いでってやる!」
「危なっかしい…? 私の方が月より強いぞ?」
「そーゆー話をしてるんじゃないんだよ!」
よくわからないが、歩きづらい…。
まあ、小さい頃もよく繋いでいたからな。
それにしても、月はまた力をつけたな。
月の手が厳しい鍛錬を続けていることを物語っていた。
°。°。☆°。°。☆°。°。°。°。☆°。°。☆°。°。
「永久さん」
本拠地に近づくと、永久さんらしき背中が見えて声をかける。
月に繋がれていない方の手で手を振った。
すると、永久さんは目を見開いて、爆速で向かってくる。
そして、勢いよく私と月の手を引き離した。
顔が真っ赤だ。
怒っているのか。
「何やってる」
「何って、内定式に…」
「糸に聞いてない」
私への質問ではなかったのか。
「うるせえな! 永久だってこの間抜け駆けしてたろ!」
「月は糸が鈍いからってずるいぞ…」
ふたりは肩を組み、コソコソと何かを言い合っているようだった。
「とりあえず内定式に行こう。遅れる」
私はふたりに声をかけて、本拠地に早足で向かう。
「「糸、待って」」
ふたりがハモって急いで後ろをついてきた。
さっきのはなんだったんだ?
内定式が終われば、アースシールド♾️の隊員として、3年間学校に通い、訓練を受けながら小さな任務をこなすことになる。
学校を卒業できれば、そこからは実力勝負だ。
父と母を超え、最速で隊長になり、地球を救うための組織のリーダーとして、皆の手本になるのだ。