可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 なんだかメイドたちに呆れたような目をされた気がする。

 気になったものの、執事が左胸に手をあてて一礼を取りながら、アイリスの視界から彼女たちを遮った。

「いったい何をなさるつもりなのか、わたくしは興味がありますね。お話しを一緒に拝聴しても?」
「もちろんよ」

 アイリスは執事に長居を許可する。

「大公様は、これまでアリムの母親に子育てはさせっぱなしだったみたいね。遠距離で、身分差がある女性がお相手だとしたらうなずけるわ」

 それなら息子が六歳になっても、接する際にぎこちないのも辻褄が合う。

 アイリスはすっきりした顔でうんうんとうなずく。

「大公様は子供がまだ苦手なのだと思うわ。アリムはとてもいい子よ、そうでしょう?」
「はい。話してみるととても可愛くって、わたくしたちみんなで気にかけるようにしていますわ」

 メイドたちのアリムに対する空気は、かなり変わってきている。

 アイリスは自分のことのように嬉しくなった。
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