可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「申し訳ございません、ノックはしたつもりだったのですが」
「いいのよ。アリムは無事に就寝した?」
「はい。明日のご予定をお持ちいたしました」

 朝に共有を受けるのが一般的だそうだが、アイリスは前世で働いていた。前日にだいたい把握しているほうが動きやいすと告げ、ブロンズには就寝前のメイドたちがいるタイミングで来てもらっている。

 他の者がいる状況でとお願いしたのは、いちおうは人妻だからだ。

 悪女と誤解されているので、そのへんは徹底している。

「ありがとう。ブロンズも、旦那様のアリムへの子育てについては、感じているみたいね」

 予定表を受け取り、もっともそばにいることが多い彼に言う。

「そうですね。どうしたものかとは考えておりましたが、わたしから申し上げられることはなく……」
「分かっているわ。そこで『妻』を利用するわ」

 アイリスは、自分の胸をどーんっと叩く。

 ブロンズを含め、メイドたちも目を見開いた。

「……奥様のようなお人は、本当に初めてですわ」
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