可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「夫人が出ているからといって、誇張しすぎだ」
「見送りに来てくれて嬉しいですもん。なっ」
「その通りです!」
「会えないメンバーは数日顔を見てませんからね」
「奥様、また何かあればお呼びください! 椅子の移動も俺らにはへっちゃらなんでっ」
「そんなことしていたのか?」

 ヴァンレックがこちらを見る。

 部下を勝手に使ってしまって、気に障っただろうか。

「あはは……その、ごめんなさい。アリムと椅子取りゲームをしようということになった時に、長椅子があまりにも重かったもので」

 自分なら平気だと思ってアリムに請け負ったら、この身体は筋肉もなさすぎた。前世で最盛期だった頃の筋肉を思って、心の中で泣いたものだ。

「……まさかお前ら、いや、この中に『椅子取りゲーム』とやらに参加した者は?」

 何やらヴァンレックが不穏な空気を背負う。

 だが、シーマスが朗らかに素早く挙手した。

「はい!」

 アイリスは、彼は空気が読めないのだろうかと心配した。

(大公様の空気が、一層重く)
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