可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 アイリスとしても、難しく考える必要がないのは有難いが――。

(大公様は、私のことを考えて……?)

 どうして、こんなにしてくれるのだろう。

 ただのダンスの練習一つに、思いもしていなかったたくさんの時間とお金と、準備だってすることになった。

 人選には大勢の人を動かして、しかもすべてヴァンレック自ら監督している。

(とても困っていた子育てを、協力してくれているから?)

 協力してもらっているからにはいい条件を出す、と彼は初めて顔を合わせた日に言った。

 でも、金銭的なことだけでなく、彼自身の気遣いまでもらっている。

 妙に落ち着かない感じで胸がどきどきしてきた。だが、それかどういうものであるのか考えようとした時、ブロンズから聞こえてきた続いてのとんでもない報告に、アイリスはギョッとする。

「何も問題ありません。当日は、旦那様も念のため見に来られそうです」
「え!」

 アイリスは、明日への緊張が倍増した。

 ◇∞◇∞◇
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