可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
(あと四十着か五十着くらいは、見繕ってはどうだろうか?)

 春になったら王都に行かなければならない。

 舞踏会やパーティーの招待状も、来年も多く届くことだろう。

「その時には王都で百着くらい買うか」

 自分がこれまで兄の命令でなければ王都に近寄りもしなかったことも忘れて、ヴァンレックはそう口にした。

 ◇∞◇∞◇

 間もなく十月に突入した。

 相変わらずすごい雪景色なので実感はないが、その寒さといった環境や景色もアイリスは見慣れ始めている。

 アリムとの体力作り、大公妃教育、雑務処理――と、一日が充実していて、日が過ぎるのはあっという間に感じた。

 一日置きから数日に一度、レベッカ伯爵夫人が来られる日に入るダンスの授業も日課になりつつある。終わったあとは、メイドたちがマッサージといった世話でたっぷりケアしてくれる。

 それでいて、レベッカ伯爵夫人は、アイリスのいい話し相手になっていた。

 授業が終わってヴァンレックが退出したあと、メイドたちに脚のケアをされながら、しばし彼女とお茶をするのが日課になっている。
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