可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「アリムは玄関にすぐ迎える場所ならいいのよね?」
「うん、そうだよ」
「よければ散歩がてら楽しく過ごせる場所を一緒に探さない? 私、来たばかりで場所も分からないから案内してくれると助かるわ」
「僕が案内? もちろんいいよ!」

 アリムが嬉しさを隠しきれない表情をする。

 頼られていると感じて誇らしいのだろう。

(よしっ、かかったわ!)

 ブロンズが『おや、まぁ』という目をして彼の様子を見つめる。

 部屋にいる、おやつもいらないと言い張っていたアリムは、自分からアイリスの手を握ると、ブロンズが立つ部屋の出入り口にくるりと向き直る。

「どこがいいかな」

 言いながら彼がアイリスの手を引いて部屋を出た。

(ふふっ、楽しそうだわ)

 手を繋ぐと、身長差がありすぎて少し屈み気味になってしまうが、手を引かれるのは心地よくてアイリスは口元を緩めてしまう。

「アリムが遊べそうなところはある?」
「一人でよくいろいろと見て回るけど、あっ、チェスはどうかな」
「チェスができるの?」
「パパともよくするよ」

 なるほど、英才教育かもしれないとアイリスは思った。
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