可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
(はぁ……好きだと分かったら、彼のことをすごく考えてしまうわね)

 気付いてしまった気持ち。

 思い返してみれば納得だった。これまでアイリスの考える基準は、すべてヴァンレックだった。自分のことでせいいっぱいだったから、気付きたくなかった想いでもある。

 でも、今、目の前でヴァンレックが笑っている。

 息子にとやかく言われるのも楽しいのだろう。恋が叶わないことは切ないのに、彼が幸せならそれでいいと思える気持ちも同時にあって――今はただ、こうして眺めているだけで幸せな気持ちになっている。

(ほんと、いいパハね)

 アイリスは床に座った二人を、立てた膝に肘を乗せて、頬杖をつき優しく見守る。

(金髪に銀髪。髪色も全然違うけど、こうして見ていると、二人は似ているかも)

 ふふっと笑った拍子に、アリムがアイリスを見た。

「アイリスの分の積み木、取っちゃったね。ごめんね」
「私の分も大きなお城を作ってくれるんでしょう? アリムが上手で、見ていてとても楽しいの」
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