可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 とにもかくにも、騎士たちは『引き続き頼みます!』とアイリスに言い残した。

 なんとも騒がしいお祝いムードだ。

(少しずつ変わっていったおかげかしら。みんながアリムと一緒に成長を喜んでくれたのは、嬉しいわ)

 それだけでも、自分がここにいる意味があるように思えた。

 そう思うようにしないと別れを受け入れられない。

 こんな喜ばしい出来事を繰り返し、月日を過ごして、契約の終わりを唐突にヴァンレックから告げられたらアイリスは泣いてしまうだろう。

 うまく別れられる自信は、アリムの成長を見て、もうなくなってしまっていた。


 その翌日。

「変身の練習、ですか……?」

「ああ。俺がみるから時間は必要だ」

 アイリスは話したいことがあると伝えられ、朝食後にヴァンレックと書斎で待ち合わせた。

 彼は今日から一週間、外出せず邸宅に滞在するという。

「討伐のお仕事は大丈夫なんですか?」
「王都から第二騎士団を送ると、陛下から知らせが届いた」

 アリムも獣化の力を持っている。
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