可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
(きちんと教育せよ、ということなのかも)

 それなら相手の女性との結婚を認めて、早いうちにヴァンレックの息子として迎えさせてあげればよかったのに。

 アイリスはもやもやした。

 アリムの母親のことを思うと切なさはあるが、一番はヴァンレックとあの子の幸せだ。

 王家の〝狼〟が一人の伴侶しか決めないのなら、そうするべきだったとアイリスは強く思った。

 昨日のヴァンレックの反応からも薄々感じていたが、彼の力を引き継いだアリムの成長には〝子育て〟も重要だということが分かった。母親と一緒に住むこと、つまり結婚することを国王が認めていたら成長ももっと早かったも――。

「陛下からアイリスに褒賞も出ている」
「えっ、なんですって?」
「好きなものを買うなり、貯金をするなり好きにしていいらしい。ああ、税からの支出ではないから気にするな。国王、王妃、血縁の者たちのポケットマネーから少しずつ出して、集められた額だ」

 手渡された書面の額を見て、アイリスは目を剥いた。
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