可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「そうなの? それはいいわね」
「はい。ですので、王都に用事があって行く時は、ボーナスみたいなもんなんです」

 ニカッと笑ったシーマスに、アイリスは嬉しくてにこっと笑う。

(気にしないで、と言っているのね)

 なんて素敵な人たちに出会えたのだろう。

「休める時には休んでちょうだいね」
「もちろんです。森がない分、巡回も楽ですよ」

 確かに、敷地面積を考えると、シーマスたちの負担も少ないだろう。

 アイリスがアリムの世話を請け負って彼に屋敷内を案内されている時、予定されていた訪問者が一組到着したという知らせがあった。

「ヴァルトクス大公、大公妃様にご挨拶申し上げます」

 挨拶にやってきたのは、獣人貴族のリッジソロミュー公爵夫妻だ。

 彼らはヴァンレックが不在の間、この屋敷の管理を国王から任されているという。

 ヴァンレックが紹介してくれたところによると、リッジソロミュー公爵は国王の側近の一人で、少年時代から世話になっているそうだ。
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