可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「玄関の近くで待機していましょうか」
「玄関の近くの花壇も可愛いよ! そこからならパパの帰宅も分かるし、一緒に散歩しよう!」
「いいの?」
「アイリスはここに来たばかりで道も分からないでしょ? 僕が手を繋いであげる!」

 かなり懐かれたみたいだ。

(パパと手を繋ぐのも大好きなんでしょうね)

 微笑ましく感じたアイリスは、彼にそういった大人がたくさんできるといいなと願いを込めながら「ありがとう」と答え、アリムの手を愛おしく握った。

 ◇◇◇

 外に出ることになったが、「その前に身支度を」とブロンズはきっぱり告げた。
 九月とはいえ、こちらの地域はすでに冷気も山側から降り始めている。午後になると肌寒さも出て来るそうだ。

 ショールを借りることになったアイリスは、身支度を整えてもらっている間にアリム付きのメイドたちから話しを聞いた。

「露骨に見てしまい申し訳ありませんでした……普段は旦那様のそばでしか気を楽になさらないお方でしたので、楽しそうな姿に驚いてしまったのです」
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