可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 膝の上に座らせていたアリムを強く抱き締めた。アリムは嬉しそうに笑い、もっと抱き締めていいよと言って足をばたつかせる。

 するとヴァンレックが、アイリスをアリムごとひょいと持ち上げて、自分の上へと移動した。

「な、何してるんですかっ」
「このほうが君の顔がよく見えるから」

 笑いかけてきたヴァンレックの金色の目が、温かみを持って潤んでいて、アイリスはハッとした。

「アイリス、愛してる。俺にとって、君が初めて愛した女性なんだ」
「っ」
「どうかこの先もずっと、俺の妻でいてほしい」

 ヴァンレックが恥ずかしげもなく言う。

 そこまで真摯に告げられたら、アイリスもここではぐらかすのも悪い気がしてきた。

「私も……ヴァンレック様が、好きです」

 さらに自分の頬が熱くなるのを感じながら、アリムを抱き締めて勇気をもらい、アイリスは告げた。

「さっき、離れてほしくないと言われた時、ヴァンレック様に愛した女性がいなくてほっとしすぎたのも気絶した原因と言いますか……」
「あ、そうかっ。アリムを実の息子設定にしていたせいで、これまでの俺の好意はことごとく流されていたのかっ」
「今になって気付いたのですか?」

 ブロンズが、思わずといった様子でツッコミを入れてきた。
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