可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「……な、なんで、いつ?」
「そんなこと、接していれば分かる。ブロンズも含め、ほとんどの者が君と過ごして早々に変だと気付いたと思う」
「アイリスは悪い人じゃないよ! 心がとっても綺麗で、僕、安心できたんだもんっ」
「まぁブロンズと騎士団は知っていたから、アリムの反応も参考にしたのかもしれないな。俺はアイリスのことばかり考えて、そこまで気が回らなかった」
「えっ」

 急に空気が変わった気がして、アイリスはじわーっと熱くなった。

「あ、あの、ヴァンレック様、そういえば気絶する前……」
「ああ、俺は君が好きだ」
「っ」

 微笑みかけてくるヴァンレックの目に、迷いはない。

「そ、そんな簡単に言えるものなんですかっ?」
「一度口にしたら、開き直った」
「普通開き直れるものではないかと……」
「不安がなくなったからな。願ってはいたけど、君も、俺から離れられなくなったんだろう?」

 アイリスは、しば記憶を手繰り寄せる時間を要した。

 数秒後、思い出して真っ赤になる。

(――そ、そういえば言っちゃったんだったわっ)
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