可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「アリム付きの子たちも?」
「終わったあとにしか合流しません。わたくしたちのほうが接する機会は多めかと」
「旦那様がお部屋までアリム様を送り届けた際、預かる流れだと聞いています」

 なんだか違和感を覚えた。

(本来は忙しくて手が届かないから、使用人を使うものだけれど)

 本当に『付きっきり』みたいだ。

 しかし、食事の世話を焼くということにも、とことん向いていない。

(あのぎこちなさを、まずはどうにかしないと)

 アリムはヴァンレックがすごく好きみたいなので、気付いていない様子だ。

 しかし、いつか寂しい思いをしたり、誤解が重なって切ない青春時代を過ごしたりすることになるのではないか。

 アイリスはそんなところまで妄想が飛んだ。

「やっばり隣に座ることからすすめましょうっ。あ、でも『お前ごときの立場で』と怒られたり……」
「まぁ、奥様」

 メイドの声を聞いて、アイリスはハッとした。

(――か、考えすぎて口に出してたああああぁあぁっ)

 振り向くと、メイドたちは一人も動かない状態でアイリスを注視している。
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