本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません

「だから要には気立てが良くて誠実で心優しい、要だけを愛してくれる女性と結ばれて、世界一幸せになって欲しいんだ。この気持ち、わかってくれるだろ?」
「はい。わかります。」

「あんたは要を幸せにする自信はあるのかい?」
「も・・・」
もちろんです、と言いかけて私は言葉を失った。
どうしよう。ちゃんと答えられない。
だって私は・・・・・・

「ふん。大事なところでダンマリかい?・・・それはそうと。」
菊江さんの重々しい口調が、急に軽くなった。

「ミチルさん。」
「はい。」
「あんた、なんでそんなヘンテコリンな化粧しているのさ。」
「えっ?!」
「要の目は誤魔化せても、あたしの目は誤魔化せないよ。あたしはこれでも大手百貨店の化粧品売り場で美容部員を長らくやっていたんだからね。」

え、ええ?!
だからこんなに粋で若々しいんだ・・・

「きっと素顔のあんたは儚げな美人さんなんだろう?どうしてそんなダサ眼鏡をかけて変なメイクをしているのさ。もしかして要をダマして何か企んでいるのかい?場合によってはあんたを許さないよ!!」
菊江さんの怒りに満ちた目つきに、私は恐れおののいた。
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