第3部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
セナと別れた後 部屋に戻ったが…
正直、少し退屈だった。
ディランから借りた本も、すでに読み終えてしまったし。
(続き、あるって言ってたな)
ふと思い出す。
「少しだけ、顔を出すくらいなら……」
私はカーディガンを羽織り、
静かに部屋を出た。
廊下は午後の光に満ちていて、
窓から差し込む風が、カーテンをゆらりと揺らしている。
歩くたびに、体がちゃんと自分のものに戻ってきているのが分かった。
(……うん、大丈夫)
廊下に出ると、ちょうど向こうから歩いてきた人物と目が合う。
「レイさん」
「おや、ティアナ様。もう動いて大丈夫なのですか?」
「うん、少しだけ」
そう答えると、レイは安心したように微笑んだ。
「殿下をお探しですか?」
「……わかるんですね」
「顔に書いてあります」
即答だった。
少し照れながら尋ねる。
「ディラン、どこにいるか分かりますか?」
「先ほどまでは書斎に」
「書斎……」
「ただ、少々根を詰めておられましたので」
意味深な言い方に、首をかしげる。
「……邪魔だったら戻ります」
「いえ」
レイは静かに首を振った。
「殿下は、ティアナ様が来られるなら喜ばれるでしょう」
「え?」
「3日間ずっとティアナ様に付き添っていましたから」
その言葉に、胸が少しあたたかくなる。
「……ありがとうございます」
軽く頭を下げ、書斎のある廊下へ向かう。
分厚な扉の前で、足を止めた。
(忙しかったら、すぐ帰ろう)
そう思いながら、そっとノックをする。
正直、少し退屈だった。
ディランから借りた本も、すでに読み終えてしまったし。
(続き、あるって言ってたな)
ふと思い出す。
「少しだけ、顔を出すくらいなら……」
私はカーディガンを羽織り、
静かに部屋を出た。
廊下は午後の光に満ちていて、
窓から差し込む風が、カーテンをゆらりと揺らしている。
歩くたびに、体がちゃんと自分のものに戻ってきているのが分かった。
(……うん、大丈夫)
廊下に出ると、ちょうど向こうから歩いてきた人物と目が合う。
「レイさん」
「おや、ティアナ様。もう動いて大丈夫なのですか?」
「うん、少しだけ」
そう答えると、レイは安心したように微笑んだ。
「殿下をお探しですか?」
「……わかるんですね」
「顔に書いてあります」
即答だった。
少し照れながら尋ねる。
「ディラン、どこにいるか分かりますか?」
「先ほどまでは書斎に」
「書斎……」
「ただ、少々根を詰めておられましたので」
意味深な言い方に、首をかしげる。
「……邪魔だったら戻ります」
「いえ」
レイは静かに首を振った。
「殿下は、ティアナ様が来られるなら喜ばれるでしょう」
「え?」
「3日間ずっとティアナ様に付き添っていましたから」
その言葉に、胸が少しあたたかくなる。
「……ありがとうございます」
軽く頭を下げ、書斎のある廊下へ向かう。
分厚な扉の前で、足を止めた。
(忙しかったら、すぐ帰ろう)
そう思いながら、そっとノックをする。