第3部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
そして、当日。
「よし! 準備オッケーですね!
行きますよ!」
まだ朝靄の残る時間帯、
トワが小さくあくびを噛み殺す。
「こんなに早く行くの?」
「あたりまえですよ!」
「それに……荷物、多くない!?」
馬車の荷台には、
どっさりとした荷物の山が積み込まれていた。
「釣り道具でしょ、お魚のご飯でしょ、
それから毛布にピクニックシート、
お昼ご飯と着替えと、暇な時用のトランプ!」
「……す、すごい」
「ということで!
俺が運転しますから、トワとお嬢様は並んで座ってください!」
「朝は少し寒いですから、毛布にくるまってくださいね!」
レオ、トワ、私の三人で並んで腰掛け、
レオは慣れた手つきで手綱を操る。
馬車は、軽やかに走り出した。
馬車が走り出したところで、私はレオに声をかけた。
「ねぇ、その……何ドラゴンだっけ?」
「エンジェルドラゴンです!」
「その話、どこ情報なの?」
「農家仲間のジャマルおじさんの話だよー。
なんでも、そのエンジェルドラゴンは体長が10メートルを超えて、
味はまるでお肉みたいにジューシーなんだって!」
「すごくない!?」
……いかにも怪しい噂だ。
「十メートルって……
そんなの、三人で捕まえられる規模じゃないでしょう」
「ほんとですね」
くすっと、トワも笑う。
「でも、そのエンジェルドラゴン、
この本にも載ってますよ」
そう言って、トワは手元の本を開く。
「幻の食材。
見た人は幸せになる、とか。
魚なのに、鳥みたいに羽ばたく、とか」
ちらりと、トワの持っている本を見る。
――『幻の生き物集』。
胡散臭い。
そんなことを思いながら、馬車を一時間ほど走らせ、湖に到着した。
「よし! 準備オッケーですね!
行きますよ!」
まだ朝靄の残る時間帯、
トワが小さくあくびを噛み殺す。
「こんなに早く行くの?」
「あたりまえですよ!」
「それに……荷物、多くない!?」
馬車の荷台には、
どっさりとした荷物の山が積み込まれていた。
「釣り道具でしょ、お魚のご飯でしょ、
それから毛布にピクニックシート、
お昼ご飯と着替えと、暇な時用のトランプ!」
「……す、すごい」
「ということで!
俺が運転しますから、トワとお嬢様は並んで座ってください!」
「朝は少し寒いですから、毛布にくるまってくださいね!」
レオ、トワ、私の三人で並んで腰掛け、
レオは慣れた手つきで手綱を操る。
馬車は、軽やかに走り出した。
馬車が走り出したところで、私はレオに声をかけた。
「ねぇ、その……何ドラゴンだっけ?」
「エンジェルドラゴンです!」
「その話、どこ情報なの?」
「農家仲間のジャマルおじさんの話だよー。
なんでも、そのエンジェルドラゴンは体長が10メートルを超えて、
味はまるでお肉みたいにジューシーなんだって!」
「すごくない!?」
……いかにも怪しい噂だ。
「十メートルって……
そんなの、三人で捕まえられる規模じゃないでしょう」
「ほんとですね」
くすっと、トワも笑う。
「でも、そのエンジェルドラゴン、
この本にも載ってますよ」
そう言って、トワは手元の本を開く。
「幻の食材。
見た人は幸せになる、とか。
魚なのに、鳥みたいに羽ばたく、とか」
ちらりと、トワの持っている本を見る。
――『幻の生き物集』。
胡散臭い。
そんなことを思いながら、馬車を一時間ほど走らせ、湖に到着した。