第3部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
帰ってから、
レオはエンジェルドラゴンを新しい桶に移し替え始めた。
「この白ひげちゃんさ」
「……名前、つけたの?」
「普通の魚用のエサ、食べないんだよなぁ。
今日はエビのウニソース和え、あげたんだ」
「なにそれ!」
思わず声が出る。
「貴族か!」
「だろ?
しかもさ、同じメニュー続くと食べないんだよなぁ」
「めんどくさい魚ね……」
桶の中で、白ひげちゃんがふわりと尾を揺らす。
その動きに合わせて、微かに風が動いた。
「それでお嬢さん専門家の人はどうなったの?連絡とれた?」
レオがこちらみる。
「そうそう…トワが持ってた“幻の生き物集”、
その著者に連絡取ったら今日、来てくれるみたいよ」
そう告げると、
「そうなんですね!」
トワの声が弾む。
「それにしても……」
桶を覗き込みながら、トワがぽつりと呟く。
「白ひげちゃん、なんだか不思議ですねぇ」
その言葉に、私は一瞬だけ魚から目を離せなくなった。
(……ほんとに)
水面は静かなのに、
風だけが、そこに“何か”あるみたいに揺れている。
レオはエンジェルドラゴンを新しい桶に移し替え始めた。
「この白ひげちゃんさ」
「……名前、つけたの?」
「普通の魚用のエサ、食べないんだよなぁ。
今日はエビのウニソース和え、あげたんだ」
「なにそれ!」
思わず声が出る。
「貴族か!」
「だろ?
しかもさ、同じメニュー続くと食べないんだよなぁ」
「めんどくさい魚ね……」
桶の中で、白ひげちゃんがふわりと尾を揺らす。
その動きに合わせて、微かに風が動いた。
「それでお嬢さん専門家の人はどうなったの?連絡とれた?」
レオがこちらみる。
「そうそう…トワが持ってた“幻の生き物集”、
その著者に連絡取ったら今日、来てくれるみたいよ」
そう告げると、
「そうなんですね!」
トワの声が弾む。
「それにしても……」
桶を覗き込みながら、トワがぽつりと呟く。
「白ひげちゃん、なんだか不思議ですねぇ」
その言葉に、私は一瞬だけ魚から目を離せなくなった。
(……ほんとに)
水面は静かなのに、
風だけが、そこに“何か”あるみたいに揺れている。