【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「……ダメだ。君は、この家に居てくれるだけで良い。お金のことなら、何も気にしなくても良い。もし時間が余って何かの趣味を持つなら、俺が金を払おう」

 すげなくスイレンがお金のために働くことに反対したリカルドに、ワーウィックはチラリと取り付く島のない彼に言葉をなくしてしまった彼女を見た。

「リカルド。スイレンは、その仕事をやりたがっているよ? お金を稼ぐことだけが目的ではないんじゃないの。人はどうして、女性を家に閉じ込めたがるの。本当に彼女を大切に思っているのなら、やりたいと思っていることをさせてあげれば良いのに。無理に閉じ込めても、その心は離れていく。永遠に、手には入らない。もっとも、リカルドが自分の勝手でスイレンの心が死んでいっても、何とも思わないなら。僕には、君には何も言うことはないけどね」

 ワーウィックは可愛らしい表情のままで、リカルドに辛辣な意見を言った。

 あどけない顔からは想像もつかない言葉が飛び出して来て、スイレンは思わず目を見張った。ワーウィックの本当の姿は、もちろん竜だ。

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