【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 今は可愛らしい少年の姿だが、実年齢はわからない。そして、竜は自分の相棒には、何よりも高潔な精神であることを求める。

 リカルドは、何も言わずにガタッと音をさせて椅子から立ち上がった。一瞬見えた悔しそうな表情に、スイレンはどうしても悲しくなった。

(リカルド様にそんな顔をして欲しい訳じゃない。彼には、いつも笑顔でいて欲しい。それこそが、私の一番したいことなのに……)

「……わかった。好きにして良い」

 リカルドは短くそう言い放つと、背を向けて扉を出て階段を登って行ってしまった。その間も、ワーウィックはもぐもぐと皿に載った花を食べながら頬杖をついている。

 スイレンは、どうして良いか戸惑ってしまった。

 ガヴェアでは、こんな風に人と意見を違えることさえないくらいに孤独だった。だから、こういった時に、何をしたら正解なのかもわからない。

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