【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「スイレン。君は、今まで自分が働いてお金を稼いで来たんだろう? もし、そうなら自分で、もう一度リカルドに意見をぶつけてみないとダメだ。確かに、この国での君の庇護者は、今はリカルドかもしれない。けど、君は既に立派な働き手だった。自分でこれから自分がどう生きていくかという、道を選ぶんだ……そう、ちゃんと選ばなきゃダメだよ。そして、この世界の中に男はリカルド一人ではないということも、君はちゃんと知るべきだと思う」

 途方に暮れてしまった表情をしているスイレンに、ワーウィックは諭すように言った。

 リカルド以外の人なんて……スイレンにはとても考えられなかった。

 彼の真っ直ぐな茶色の目を思い出すだけで、それだけで、いても立っても居られなくなるのだ。きっと、もう一生。その気持ちは消えないと、今言い切れるくらいに。

「ふふっ。スイレンは、そういうところも可愛いなあ。僕は、僕達は……そういう真っ直ぐで善良な人間が、とっても好きなんだ。そうだね、今はリカルドのところに行っておいで……もしかしたら、二人きりで話した方が良いことがあるかもしれないからね」

 そう言い終わると、ワーウィックは何事もなかったかのようにモグモグと花を食べる。

 スイレンが決意をして椅子から立つと、僕のおかわりだけよろしく、と空っぽの皿を差し出しながらちゃっかりとして言った。



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