【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】

1-13 初仕事

 コンコン。

 緊張しつつ、スイレンはリカルドの部屋の扉を叩いた。彼は少し時間を空けてから、ゆっくりと開けてくれた。

「……スイレン。どうした?」

 先程とは違い、彼も時間を置いて落ち着いたのか。高い背を屈めてスイレンに目線を合わせて、優しく問いかけてくれた。

 スイレンは彼の茶色の目と目が合うだけで、やはりドキドキと胸が大きく高鳴った。

 彼の目は、本当にスイレンを落ち着かなくさせる。なんにもしなくても言わなくても。彼のその目が、心の内を問いかけてくるような錯覚がするのだ。

「あのっ……私。別にこの家に居るのが、嫌な訳じゃないんです。でも、今までずっと働いて来たから。家で何もしないのは、どうにも落ち着かなくて。私には花魔法しか満足に使えないんですけど、それが活かせるお仕事を、どうしても逃したくなくて……」

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