【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 自分がどうして働きたいと思ったのかを、つっかえつっかえしながらも懸命に話すスイレンの顔を見ながらリカルドは手招きをして、彼女を自室の中に入れた。

 家長のリカルドの部屋は、この家で一番良い部屋だから、隣のスイレンの部屋より広い。家具は殆どが紺で、ところどころ白色が効果的に使われている趣味の良い部屋だった。

 彼はスイレンを部屋の中央にあったソファへと座らせると、自分はその前方にある大きなベッドに腰掛けた。

「……さっきは、すまなかった。俺には、女性を働かせるという考えが、あまり身近にないんだ。だから、君を働かせるというのが……どうしても自分の中で抵抗があって……君の話をちゃんと聞くこともなく、頭ごなしに反対してすまなかった」

 そうしてリカルドは目を合わせて真剣に言ってくれるので、スイレンは緩く首を横に振った。

(リカルド様は、貴族。自分のように生きるために、毎日働かなければ生きていけないような環境に育ったわけじゃない……それでもこうして、ちゃんと悪かったと謝ってくれて、自分の思いをわかってくれようとしている)

 それだけでもう、すべてを許してしまえる。

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