【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
中央付近にある椅子に腰を下ろし、どこか遠い目をしたままで前方を見つめている。
多くの民衆から、多数の石をぶつけられたせいか。リカルドは、肌が剥き出しになっている顔や手に、いくつかの小さな怪我をしていた。
スイレンはもう既に赤黒くなって固まってしまっている垂れた血を拭って、治療してあげたいと思った。
太い鉄格子に阻まれて、それは叶わないことだけれど。
「あのっ……おはようございます」
スイレンはしんとした静かな朝の薄闇の中、勇気を出してリカルドに話し掛けた。
途中で声を掛けられた事に気が付いて、こちらに顔を向けたリカルドの強い視線を感じて、スイレンの声はどうしても震えてしまった。
彼にじっと、自分を見つめられている。
それを思うと、スイレンの心には溢れるような喜びが湧いて来るのを感じた。
両親が亡くなってしまってから、これほどにまでに嬉しかったことはないと思ってしまうほどに。
リカルドはただスイレンを見つめているだけで、何も言わなかった。
何の感情も見えない無表情の中で、少しだけそう少しだけ表情が動いたような気がした。
多くの民衆から、多数の石をぶつけられたせいか。リカルドは、肌が剥き出しになっている顔や手に、いくつかの小さな怪我をしていた。
スイレンはもう既に赤黒くなって固まってしまっている垂れた血を拭って、治療してあげたいと思った。
太い鉄格子に阻まれて、それは叶わないことだけれど。
「あのっ……おはようございます」
スイレンはしんとした静かな朝の薄闇の中、勇気を出してリカルドに話し掛けた。
途中で声を掛けられた事に気が付いて、こちらに顔を向けたリカルドの強い視線を感じて、スイレンの声はどうしても震えてしまった。
彼にじっと、自分を見つめられている。
それを思うと、スイレンの心には溢れるような喜びが湧いて来るのを感じた。
両親が亡くなってしまってから、これほどにまでに嬉しかったことはないと思ってしまうほどに。
リカルドはただスイレンを見つめているだけで、何も言わなかった。
何の感情も見えない無表情の中で、少しだけそう少しだけ表情が動いたような気がした。