【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
(自分が、あの彼の凛とした立ち姿の隣に立ちたいなんて、なんてバカなことを願ってしまっていたんだろう。いつから……いつから? こんなに、期待をしてしまっていたんだろう。どうして、あの人の目の奥や何気ない言葉に甘いものを探してしまったんだろう。そんなもの、きっと……あるはずがないのに)

 リカルドは、優しくて誠実だ。だからこそ、彼のことを好きなスイレンにとっては残酷だった。不遇の身に同情してくれただけの彼には、何の罪もないこともわかっていた。

(こんな自分が、いつか救われるんじゃないかなんて。そんなことを夢見てしまったなんて、本当になんて……バカだったんだろう)

 リカルドは、本当に優しい。けれど、スイレンは彼の傍に居て、この生活がいつか終わってしまうことを恐れていた。

 そう……もし、時が来て終わってしまうのなら、自分の手で終わらせてしまいたいと思い詰めてしまうくらいには。


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「自分一人で住む部屋を借りたいから、私に協力してほしい?」

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