【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
1-15 夕焼け空
スイレンはジョルジオから約束通りに家を準備して貰って、最後の挨拶にとリカルドの妹のクラリスが住むデュマース家の本宅へと向かっていた。
スイレンが去ってしまう前に、彼女の決断を聞けば必ず反対するだろう彼女に、直接的な別れは言えない。
けれど、可愛い笑顔のあの人と最後に一目会っておきたかった。
(もう……クラリス様にも、会えなくなる……そうよね。一人で去るって、そういうことなんだわ……)
小さな窓の外には、ヴェリエフェンディの華やかな王都の様子が見える。通りには沢山の人が溢れて、スイレンの心には追い詰められるような気持ちが湧いて来た。
(出来るのなら、あの雑踏の中に紛れてしまいたい。今すぐにでも)
今すぐ出来るのなら、そうしたかった。けれど、最後に一回だけ会っておきたいという気持ちを止められなかった。
デュマース邸に到着すれば、甲斐甲斐しく御者が手を取って馬車を降りるのを手伝ってくれた。それは生まれ育ったガヴェアでは一度もされたことがなく、最初の内は慣れなかった。
けれど、ヴェリエフェンディでは、女性は守るべき存在として男性から大切にされていて、こういったエスコートも、女性に対する通常のマナーのひとつなのだという。
「……あら!」
スイレンが去ってしまう前に、彼女の決断を聞けば必ず反対するだろう彼女に、直接的な別れは言えない。
けれど、可愛い笑顔のあの人と最後に一目会っておきたかった。
(もう……クラリス様にも、会えなくなる……そうよね。一人で去るって、そういうことなんだわ……)
小さな窓の外には、ヴェリエフェンディの華やかな王都の様子が見える。通りには沢山の人が溢れて、スイレンの心には追い詰められるような気持ちが湧いて来た。
(出来るのなら、あの雑踏の中に紛れてしまいたい。今すぐにでも)
今すぐ出来るのなら、そうしたかった。けれど、最後に一回だけ会っておきたいという気持ちを止められなかった。
デュマース邸に到着すれば、甲斐甲斐しく御者が手を取って馬車を降りるのを手伝ってくれた。それは生まれ育ったガヴェアでは一度もされたことがなく、最初の内は慣れなかった。
けれど、ヴェリエフェンディでは、女性は守るべき存在として男性から大切にされていて、こういったエスコートも、女性に対する通常のマナーのひとつなのだという。
「……あら!」