【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 リカルド自身がそう言っているのだから、きっとイジェマは彼を嫌っていたような様子を見せていたのだろう。

 けれど、彼の事を好きなスイレンにとってしてみれば、イジェマが彼に言ったという言葉が本当に信じ難かった。

 スイレンから見れば何もかもが完璧で、存在自体信じられないくらいの人なのに。

 好きな子。それも、自分以外とは、そういうことをしたくないのだと言った。

 スイレンは夢みたいで、とても嬉しくて、思わず空を飛んでしまいそうなくらいに心は浮き立った。

「嘘みたい」

 嬉しそうにふふっと笑ったスイレンに、リカルドはもう一度顔を寄せてキスをしてくれた。

 はーっと大きくため息をつき、自分の大きな体で囲むようにぎゅっと抱き寄せた。

「嘘じゃないよ。俺は運良く戦果を挙げて、今では国民の英雄で竜騎士だなんだと、持て囃されてはいるけれど、その実、何も知らない二十二歳の若造だよ……そうだ。スイレンは、今年齢はいくつ?」

「私は、今は十九です。リカルド様」

 彼の問いに素直に答えたスイレンに、リカルドは少しだけ複雑そうな顔になった。

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