【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 ただ、こうして通勤路を歩いているだけなのに、思わず笑顔になって微笑んでしまうのを止めることが出来ない。

 もしかしたら、前から歩いてくる人には変に思われるかもしれないけど、そうだとしても構わなかった。

(もう、今日は何が起きたとしても、許せそうな気もする。嬉しくて)

「……おはよう。スイレンちゃん」

 ガーディナー商会の扉を開ければ、茶髪のブレンダンが目を擦りながら店の奥から現れた。

 ブレンダンらしくないフラフラとした頼りない足取りだし、強いお酒の匂いもする。

 着ている服も、昨日のそのままなのか。いつもはきっちりとしている人なのに、珍しく皺が寄ってだらしなくよれっとしていた。

「ブレンダン様。おはようございます。昨日はご迷惑をお掛けしました。今日は、ご実家に泊まられたんですか?」

 ブレンダンの実家は確かにこちらのガーディナー商会なのだが、彼は竜騎士としての家も持っている。普段はそちらで生活しているため、こうして早朝に顔を見ることは今までになかった。

 スイレンが聞いたその時、ブレンダンの背後から可愛らしい少年が顔を出して現れた。

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