【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 どうやらクライヴは、時折あどけなさを見せるワーウィックよりも、女の子を喜ばせる言葉を使うことが出来るらしい。

「えっと……正直に言えば、びっくりしましたけど、大丈夫です。クライヴも、守護竜のイクエイアス様に、お願いしたんですか?」

 スイレンの言葉に、ブレンダンは一度溜め息をついて頷いた。

「そう。ワーウィックが、人間の姿になって君と一緒に居るのを見て、自分も絶対に人化の術を使えるようになりたいと、何回も訴えたんだ。それで、根負けしたイクエイアスが渋々許可したんだ。本当はあまり、まだ若いこいつらが人間の社会を乱すことになるから、したくないらしいんだけどね。ワーウィックの我が儘の前例を、作っちゃったからさ」

 そろそろ出勤して来る従業員が出始めた店先で立ち話するのも何なのでと、スイレンはいつも自分が仕事をするのに使わせてもらっている花の種を保管している小部屋へと、二人と共に廊下を歩いた。

 この家の息子であるブレンダンはともかく、クライヴは我知ったる涼しい顔ですれ違った従業員に挨拶をして驚かれていた。

「……リカルドは。イジェマと、婚約解消が出来たんだってね」

< 162 / 340 >

この作品をシェア

pagetop