【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「……お前にはもう用はないと……そう言われたわ。その前まで、普段通りだったのに。私、もう分からなくて……一体何が、いけなかったの?」

 突然の失恋に憔悴してしまったイジェマは、俯いてまた泣き出した。

 そっとリカルドの顔見上げて伺うと、難しい顔をして眉を寄せている。

 逆隣のワーウィックは口をつぐんだまま、何も言わずにこの事態を見守っているようだ。スイレンもまた、同じように何も言えなくて俯いた。

(どんなに愛し合っていたとしても、どちらかの心がもう離れてしまえば、それで終わってしまう。恋は、なんて脆く儚いものなの)


◇◆◇


 イジェマはあの後なんとか落ち着きを取り戻し、気丈に振舞って自らの馬車で自宅へと帰って行った。

 その後、一緒に夕食を食べていても、リカルドはどこか落ち着かずに言葉少なくなってしまっている。

 スイレンやワーウィックが何かを話していたとしても、彼だけ心ここに在らずというか。何かを、ずっと考え込んでいるようだ。

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