【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「そんな……」

 ワーウィックはリカルドが居る二階を示すように天井を見上げ、事態を知ったスイレンは思わず口に両手を当てた。

 いくらイジェマが美しいとは言え、幼い頃から国民的に目立つ竜騎士リカルドと婚約していたという過去があれば、我こそが彼女の次の婚約者にと手を挙げる人は少ないかもしれない。

 周辺国でも有名な英雄で竜騎士で、貴族の当主。その上に、彼はあれだけの美丈夫なのだ。

 対してジャック・ロイドという男性をスイレンは詳しくは知らないが、職業が近衛騎士というと、騎士の中でも花形の地位で姿形も美しいことが条件とされる。この国では、近衛騎士は竜騎士に次ぐ出世コースなのだ。

 麗しい美貌を持つジャック・ロイドに言い寄られて、恋に落ちない女性はそういう面に魅力を感じない女性か。それとも、他に心を動かすことのないほどに、愛している男性がいるのか。いくら考えたとしても、理由はあまり思い浮かばない。

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