【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「あんまり……この魔法は上手じゃないんです……その傘、すぐに消えてしまうので、早く中央に移動してくださいね」
自分は冷たい雨に打たれながらも笑ったスイレンは、リカルドの困った顔をして首を振る姿をもう見たくなかった。
身を翻して、いつもは歩いて花を売っている通りを走った。
バシャバシャと大きな音を立てて、足元で冷たい水が跳ねる。
それでも、あの人と少しでもこうして会えたことがどうしようもなく嬉しくて、スイレンは走りながらも微笑んでしまった。
間近で見るとリカルドは睫毛が長くて彫りが深く、遠目で見て想像していたよりも、とても綺麗な顔をしていた。
無表情ではあったが、戸惑い動揺するかのように茶色い目が揺れていた。
きっと彼はこんな自分のことなど、すぐに忘れてしまうのかもしれない。
でも、少しの間だけでも良かった。
彼の心を和ませることが出来たのなら、もう何も要らないと思ってしまう程に。
自分は冷たい雨に打たれながらも笑ったスイレンは、リカルドの困った顔をして首を振る姿をもう見たくなかった。
身を翻して、いつもは歩いて花を売っている通りを走った。
バシャバシャと大きな音を立てて、足元で冷たい水が跳ねる。
それでも、あの人と少しでもこうして会えたことがどうしようもなく嬉しくて、スイレンは走りながらも微笑んでしまった。
間近で見るとリカルドは睫毛が長くて彫りが深く、遠目で見て想像していたよりも、とても綺麗な顔をしていた。
無表情ではあったが、戸惑い動揺するかのように茶色い目が揺れていた。
きっと彼はこんな自分のことなど、すぐに忘れてしまうのかもしれない。
でも、少しの間だけでも良かった。
彼の心を和ませることが出来たのなら、もう何も要らないと思ってしまう程に。