【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 吐き捨てるようにしてジャックは呟くと、スイレンの手を乱暴に離して行ってしまった。

(私が……リカルド様のことを、何も知らない? ううん。そんなことはない。私はリカルド様のことを、ちゃんと知っている。あの人は、自分の戦功を立てたいからって、絶対に何か卑怯な真似をするような人じゃない。それに、竜のワーウィックが、自分の竜騎士にあの人を選んだのが何よりの証拠のはずよ)

 竜は人の心の在りようを見て、自分に相応しい竜騎士を選ぶ。

 その事実こそが何よりも、リカルドがジャック・ロイドの言うような卑怯な人ではないという証拠ではないだろうか。

 彼に握られていた手首は痛くて、治癒の魔法を使えないスイレンは、自分でその赤い痕を擦るしか出来なかった。


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