【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 クライヴはお願いと両手を合わせて、スイレンを上目遣いで窺い見た。彼だって必死だ。

 このままスイレンを彼女の望むように魔の山に連れて行き、自分も一緒に人化して着いて行ったところで何にもならない。どう考えても、無駄な死人が二人増えるだけだろう。

 どうにかして、この絶体絶命の状況から、起死回生の一手を打たねばならない。

「……イクエイアス? 守護竜様?」

 彼の名前が出て来るとは思ってもみなかったスイレンは驚いて目を見開くと、クライヴは神妙に頷いた。

「城の地下に居る。僕が、スイレンを連れて行くから。リカルドは、イクエイアスのお気に入りなんだ。だから、以前にガヴェアに捕らえられた時にも、ワーウィックに貴重な魔法薬を与えて時間が掛かる酷い怪我だったにも関わらず、全快させた。今回だって、リカルドとワーウィックを救うために、何らかの手を打ってくれるかもしれない」

 スイレンは、手で拭いても拭いても流れてくる涙を拭いながら頷いた。

 守護竜であるイクエイアスに対面してその慈悲に縋るしか道がないのなら、そうする。

(リカルド様とワーウィックを助けるためなら、何でもする。なんだって)



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