【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 クライヴはイクエイアスに向かって、器用に竜の姿でお辞儀をすると彼に向かって心の中で何かを話しているのか、じっと目を逸らさない。

 流石上位竜と言うべきか。イクエイアスは、竜の姿でも先ほどスイレンが聞こえたように人間と心の中で直接話すことが出来るらしい。

(それは、難しい……エグゼナガルとの不可侵の条約を破ることは、出来ない)

 彼らの救出に難色を示したイクエイアスのその言葉を聞いて、スイレンは思わず悲鳴のような声を出した。

「イクエイアス様っ! お願いします。リカルド様とワーウィックを、見捨てないでください。お願いします」

 涙を流しながら、自らに跪くスイレンの姿の方向を見ると、彼女の存在に今気がついたようにクライヴに目配せをした。

(この子は? ……ああ、リカルドの恋人か。あいつも、隅に置けない。そうだな……エグゼナガル自身が、あの山にある結界さえ解いてくれたのなら。何とか、出来るんだが……それは、エグゼナガルに会って直接交渉するしかないだろうな)

 厳しい竜の顔で、より困ったような表情をするイクエイアスにスイレンに語り掛けるようにして言った。

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