【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「それしか、方法はないんですね?」

 彼の言葉を確かめるように聞いたスイレンに、落ち着いてと言わんばかりに顔を寄せたクライヴはキュルっと可愛らしく鳴いた。まるで、スイレンの心中を宥めるかのような仕草に、スイレンは息をついてゆっくりとその大きな顔を撫でた。

(結界さえ、何とかしてくれたなら、必ず救いに行くと約束しよう……だが、良いか。エグゼナガルは、我と対になる存在だ。もし怒らせたならば、この国周辺が何もない更地になるぞ)

 脅すようにしてイクエイアスは言うと、クライヴに何か魔法をかけた。クライヴはくすぐったそうに、白い光の中で身動きをした。

「なるべく。そうならないようにします。必ずとは、言えませんが」

 スイレンは頷いて、ぎこちなくイクエイアスへと正式な礼を済ませると、こうしては居られないとばかりに隣に居たクライヴの背に乗った。


◇◆◇


「……スイレン。これからは、本当に危険だ。命に関わるから。必ず僕の指示を聞くと、約束して欲しい」

 結構な距離を飛行して舞い降りた鬱蒼とした森の中。目的地である魔の山の麓で人化を済ませると、いつもの無表情でクライヴは言った。

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