【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 クライヴの言葉に驚き、大きく目を見開いたスイレンと目を合わせ彼は頷いた。

「そうだ。飛行速度が自慢のワーウィックが、撃ち落されて大怪我をするなんて。あの時が、初めてだった。竜騎士が順繰りの担当する哨戒任務の単独飛行を、狙われたんだ。それに……高速飛行をしていれば、どんな攻撃だって受けることはない。ブレンダンも、そのことは不思議だと言っていた。まるで、あの場所で彼等が来ることを、最初から知っていたようだと。だが、スイレンの話を聞けば、何の不思議もなかった。あのロイドが、ガヴェア側に漏らしたんだろう」

「許せない」

 自然と、強い言葉がスイレンの唇から漏れた。ロイドが仕出かしたことは、人としても騎士としても、最低だった。到底、看過出来るような行為ではない。

「スイレン。とにかく、僕たちはエグゼナガルの元へと急ごう。ロイドのことなんて、二の次だ。あの二人の様子を、君も見ただろう。一刻も早く助けないと」

 繋いだ手の力を強くしたクライヴの真剣な言葉に、スイレンは頷いた。

 長い距離を歩いて、どんなに足が痛くなっても、未だかつてない疲労感に意識を失いそうでも、関係なかった。

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