【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
2-7 薄紫
クライヴが素早く降り立ったその場所は、闘いの音が溢れ混乱を極めていた。
方々で展開される、近距離からの攻撃魔法。竜が吐く、ブレスの眩い光。武器が打ち合っている金属音。そして、夜の空気の中に響く悲鳴。
「……リカルド様っ!」
降りやすく姿勢を低くしてくれていたクライヴから降りると、スイレンはすぐにリカルドの方向に向かって駆け出した。
後ろからクライヴのキュル! っと制止するような鳴き声も聞こえたような気もするけれど、振り向きもせず真っ直ぐに走り出した。
もう、スイレンの目にはあの人のことしか見えていなかった。
リカルドは高い位置にあった木の枝の繋がれていたロープだけは、救出に来てくれた味方に真っ先に切って貰ったのか、大きな木の幹にもたれ掛かるようにして、ぐったりとしていた。
スイレンは、血で服が汚れることなど全く構わずにリカルドへ抱き着いた。
「……スイレン? なんで、ここに?」
驚いた声が頭上でして、リカルドは反射的に自分に抱き着いたままのスイレンを抱きしめた。
スイレンは流れる涙を止めることは出来なくて、そのまま見上げたリカルドの端正な顔は何発か殴られた痕もある。
一層悲しくなってスイレンは嗚咽しながらも、リカルドに言った。
「っ……良かった。リカルド様。私、もう……」
その時、リカルドの顔が一瞬で険しくなって、スイレンのすぐ背後で激しい金属音がした。
方々で展開される、近距離からの攻撃魔法。竜が吐く、ブレスの眩い光。武器が打ち合っている金属音。そして、夜の空気の中に響く悲鳴。
「……リカルド様っ!」
降りやすく姿勢を低くしてくれていたクライヴから降りると、スイレンはすぐにリカルドの方向に向かって駆け出した。
後ろからクライヴのキュル! っと制止するような鳴き声も聞こえたような気もするけれど、振り向きもせず真っ直ぐに走り出した。
もう、スイレンの目にはあの人のことしか見えていなかった。
リカルドは高い位置にあった木の枝の繋がれていたロープだけは、救出に来てくれた味方に真っ先に切って貰ったのか、大きな木の幹にもたれ掛かるようにして、ぐったりとしていた。
スイレンは、血で服が汚れることなど全く構わずにリカルドへ抱き着いた。
「……スイレン? なんで、ここに?」
驚いた声が頭上でして、リカルドは反射的に自分に抱き着いたままのスイレンを抱きしめた。
スイレンは流れる涙を止めることは出来なくて、そのまま見上げたリカルドの端正な顔は何発か殴られた痕もある。
一層悲しくなってスイレンは嗚咽しながらも、リカルドに言った。
「っ……良かった。リカルド様。私、もう……」
その時、リカルドの顔が一瞬で険しくなって、スイレンのすぐ背後で激しい金属音がした。