【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 気が触れたかのような大きな声をあげ、ロイドはリカルドへと襲いかかって来た。

 リカルドは、それを見ても表情を変えることなく静かに構えを取った。

 初撃の剣戟の音が響いて、ロイドが素早い剣捌きで何度も何度も振るいかかった。

 リカルドは一見、攻撃の手を緩めないロイドに圧されているように見えるが、正確にその太刀筋を見抜き自らの思い通りに動くように翻弄しているようだ。

 ロイドが踏み込む間合いがどんどん短くなり、リカルドが押し返す場面が増えて来た。

 派手に打ち込んでいるように見えるロイドの攻撃は、落ち着いた様子のリカルドによってすべて正確に打ち返されて、素人のスイレンが見ても有利なはずのロイドに焦りが見えてきた。

「っ何故だ! なんで、お前が選ばれ、僕が選ばれなかった! 今お前のように、英雄と呼ばれているのは、僕だったかもしれないのに!」

 今までに感じていたどす暗い恨みつらみすべてをぶつけるように、ロイドは剣を振るった。リカルドは何も応えずに涼しい顔をして、受け流している。

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