【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
スイレンが心配して駆け寄り呼吸を確認すると、ゆっくりと規則正しい呼吸をしていることに安堵した。

 止血などの応急処置を受けて、上半身は包帯だらけのリカルドと数人の竜騎士達はワーウィックが背負っていたと思われる鞍を手際よくクライヴに取り付けた。

 リカルドはぐったりしたままの人型のワーウィックと、ここまで気を張っていて彼の無事を確認した途端力が入らなくなったスイレンを抱いたまま、クライヴに乗り込み、その鬱蒼とした暗い森から飛び立った。

 高速飛行するには、王都は距離が近い。

 薄闇が晴れて太陽が登っていく夜明けの空を見ながら、ゆっくりとした速度で王都へと近付いて行く。

「……スイレンが、あのエグゼナガルと交渉してくれたと聞いた。なんで、そんな無茶を……」

 事情を知ったリカルドは、躊躇いがちにスイレンの耳元で囁いた。鞍を取り付けている時に、他の竜騎士からスイレンが何故そこに居たのかを聞いたのかもしれない。

「私。リカルド様を助けたくて。もう、他に何も考えられなかったんです」

 間近で見えるリカルドの顔は、どこか悲しそうだ。

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