【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「……あの……広い魔の森を歩いて、エグゼナガルに会いに行ってくれたんだよな。こんなに、細い足で」

 今回あったことを全て自分の責任であると思っているのか、噛み締めるようにしてリカルドは言った。その表情は暗い。

 堪らなくなって、スイレンはリカルドの大きな手を取って握った。彼の右手はとても自分の両手で握っても包み込めない。

 出来たら、そうしてあげたかった。

 悲しい事や苦しい事から、守ってあげたい。スイレンはリカルドのためなら、何だってしてあげたいと思っていた。

「こんなの……全然……全然、大した事ないです。リカルド様が負った、背中の酷い傷に比べたら」

 リカルドは自身が血塗れになってしまうほどの、無数の傷を負っていた。敵側に捕らえられて背中に鞭打ちをされたのだ。

(どんなに、辛く痛かったんだろう……私にある小さな痣なんて、あれとはまるで比べものにはならないもの)

 リカルドが木から吊るされていたあの姿を、スイレンは目の当たりにしてしまっていたので、この程度の自分が負った痣のことで彼が顔を曇らせてしまうのは、何だか違う気もしてしまった。

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