【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】

2-12 朝の光

 スイレンが、翌朝目を覚ました時。

 もう日は高くなっていて、ぐっすりと深く寝入ったままのリカルドに、後ろから抱き込まれたままの状態だった。スイレンは体を捻らせて苦労して、力強い太い腕から逃れることが出来た。

 いつも精悍な彼の寝顔を、こうして見るとあどけなくて本当に可愛かった。見ているだけで、心の奥底から愛しさが溢れてくるのだ。

(リカルド様を初めて見たあの時……彼は、遠くに見える檻の中に居た。今はこうしてすぐ近くの隣に居て、あどけない寝顔を見せてくれている。幸せ……)

「リカルド様……好き……」

 スイレンは思わず、寝ているリカルドの頬にキスをしてしまった。今朝は、あの時のように彼は起きなかった。

 何もかもが遠かった彼をこうして身近に感じるたびに、あの時に勇気を出して良かったと何度だって思うのだ。

 寝息を立てているリカルドを見ているこの時に、彼を愛していることを再確認する。

 スイレンが時間を忘れて、リカルドの顔を見入っているその間に、ゆっくりと瞼が動いて彼は目を開けた。

「……スイレン。もう、起きてた?」

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